
石屋の仕事として「新しいお墓を建てる」ことは、やはり何にも変えがたい喜びであり、新しいお墓が建って、お客様から「ありがとう」の一言をいただけたときは「石屋で良かった」と思える瞬間です。
でも、まったく新しいお墓を建てることって、実はそう頻繁にあるものではありませんし、お客様の多くは、現在何らかのかたちでご先祖をお祀り供養されています。実際にお客様からご相談いただくのは
といった内容がほとんどです。商売として考えれば「新しい墓石に建て替えましょう」とススめるのがいいのかもしれません。でも、すこし立ち止まって考えると、「新しい墓石を建てること」よりも「先祖から受け継がれてきたお墓を守り生かすこと」の方に価値があるのではないでしょうか。
先祖から受け継がれてきたお墓には、日本人の心の在り様、伝統的な価値観や文化、先人達の蓄積が詰まっています。現在あるものの価値を見つめ直して、守り生かす「温故知新」の考え方がとても大切だと考えています。
ご先祖様から受け継がれてきた墓石も、長い年月のなかでどうしても「欠け」や「キズ」「表面の風化」などが表れてきます。墓石の再生は、古くなった墓石を生かしながら、新しいお墓として甦らせる技術です。
「北山石材でのお墓づくりを決められた理由は何ですか?」という質問に対して、70%の方が「アフターサービス」と答えられています。「お墓を建てるということ=末代まで守り続けること」これがいかに大切かという表れです。
このような方のためにも、建てたお墓を守る姿勢「墓まもり」は石屋にとって、良いお墓づくりをすること以上に大切なことです。